研究内容 Research

物質の最も基本的な構成単位はなんだろうか。 もっとも基本的な相互作用(=力)はどんな性質をもっているのだろうか。 宇宙はどのようにして生まれたのだろうか。 このような「究極」の疑問に答えようとするのが素粒子理論の目的である。

現在の理解では、物質のもっとも基本的な構成単位はクォークとレプトンと呼ばれるフェルミオンで、これらに働く4つの基本的な相互作用(強い相互作用、 電磁相互作用、弱い相互作用、重力相互作用)は、すべてゲージ粒子と呼ばれる ボソンによって媒介されている。また、クォークとレプトンに質量を与え、 弱い相互作用を短距離力にするヒグス粒子と呼ばれるスカラー粒子も存在する。 この標準理論は、膨大な実験結果に支えられ、非常に精密に検証されている。

当研究室では、この標準模型に基づく、あるいは標準理論を越える理論の構築を 目指した理論的研究を行っている。 研究は基本的に個人ベースで行われているが、興味が近い人同士が共同研究を 行うのが通例である。 共同研究は研究室内の人同士に限らず、全国的、国際的なものも普通である。

特別研究 Undergraduate

4年生の特別研究は、定員約4名で、1年を通じて場の理論の入門的な本の輪講を行うのを通例としている。(通年での履修を前提としている。) テキストは固定されておらず、年度によっていろいろな本が取り上げられている。

一般的に言って、場の理論の計算がきちんと行えるためには、 解析力学、量子力学、特殊相対性理論、物理数学の基礎的な事柄について、 十分な理解と計算力が必要である。

年度によって異なるが、年度末に卒業論文を作成し、研究室内で発表会を行う。

過去に輪講に用いた本

2017Quantum Field Theory (M. Srednicki)
2016A First Course in String Theory (B. Zwiebach)
2015A First Course in String Theory (B. Zwiebach)
2014Quantum Field Theory (M. Srednicki)
2013A First Course in String Theory (B. Zwiebach)
2012Gauge Theory of Elementary Particle Physics
(Cheng and Li)
Quantum Field Theory in a Nutshell (A. Zee)
格子上の場の理論 (青木 慎也)
2011クォークとレプトン (F. ハルツェン, A.D. マーチン)
演習 場の量子論 (柏 太郎)
格子上の場の理論 (青木 慎也)
2010Quantum Field Theory in a Nutshell (A. Zee)
2009Advanced Quantum Mechanics (J.J. Sakurai)
2008素粒子物理学 (井上 研三)
Quantum Field Theory in a Nutshell (A. Zee)
2007例題形式で学ぶ 現代素粒子物理学 (川村 嘉春)
2006Quantum Field Theory in a Nutshell (A. Zee)
2005Advanced Quantum Mechanics (J.J. Sakurai)
2004演習 場の量子論 (柏 太郎)
An Introduction to Quantum Field Theory (D.V. Schroeder and M.E. Peskin)
2003Quantum Field Theory (L.S. Brown)
2002Quantum Field Theory (L.S. Brown)
2001Modern Quantum Mechanics (J.J. Sakurai)

大学院を受験する人に Postgraduate

大学院に入学して1年間は、ほぼ場の理論の勉強に費やされると考えて良い。 通例、M1ゼミでは場の理論の標準的なテキストを用いて、標準理論に関する定量的な理解を目標とする。 M2になる頃から、各人の興味や能力にしたがって研究内容を絞り始める。 修士論文を一つの目標として勉強から研究へとステップアップすることを目指す。 素粒子理論の分野では、実質的な研究内容が、高度な予備知識を要求するのが普通なので、修士論文は必ずしもオリジナルな研究に関するものでなくてもよい。

日常的な研究活動としては、他大学から講師を招いて講演をして頂く「セミナー」、 最近の興味深い文献を研究室のメンバーに紹介する「文献紹介」、 現在の自分の研究の進捗状況を講義する「コロキウム」を行なっている。 もちろんその他に、特定のテーマについて興味を持った人たちが集まって、 自主的な勉強会をしたり、研究論文のために議論をしたりしている。

修士課程を修了した学生の半数以上が博士課程に進学している。 修士課程修了時の就職状況は良好で、希望職種に順調に就職している。 博士課程に進学した学生のほとんどは博士号を取得している。 稀に博士号を取得せずに就職する場合もある。 OBは各大学、研究所で現在活発に研究を行なっている。 博士号を取得後、研究者として生き残るのはいつの時代でも難しい。 研究者の道を断念するものもいるが、企業等への就職は不況の時であっても良好である。