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- 衝撃力の計算
バラエティ番組の製作の人から、 高い所(地上30メートル)からバイクに乗ってジャンプし、 着地した際の人間が受ける衝撃力を計算して欲しい、 という問い合わせがあった。 ただし、単位はキログラムかトンでお願いします、とある。 なぜか、それが私の所に回ってきた。 (これも「社会貢献」でしょうか。) 計算する以前に、「止めた方がいいと思いますよ」 と思ったのだが、おとなしく計算して送りました。 私の計算結果が放映されたかどうかは知りません。
[追記] このノートは大勢の人の目にとまるようで、 このノート関して連絡を頂くことが多い。 まあ、勝手に使ってもらう分には良いのだが、 私がまるで「衝撃力専門家」であるかのように思われて、 いろいろな場合の衝撃力の評価を頼まれたりすることもあり、 ちょっと問題だと感じはじめました。そこで、 (いちいち説明するのも面倒なので) いくつか注意書きを載せることにしました。
- 「衝撃力」という言葉はあまり物理では使わない。 物理学辞典を引くと「撃力」を見よとある。 「撃力」とは、打撃や衝突の際に、 非常に短時間に物体に作用する大きな「力」のこと。 そして、その効果は通常「力積」で表わされる。 「力」も「力積」もトンの単位では測らない。 だから、上記の依頼はもともと無理な話で、 そのことを知っている人は、 この文章を読んで笑うだろうと思って書いた。
- 「力積」というのは、撃力と、撃力が働いている時間の積である。 理想的な場合を除いて、力積を正確に計算するのは難しい。 それは非常に短時間に激しく変化する撃力の大きさを知るのが難しいからである。 何と何がどのようにぶつかるのかという、 素材や形状、その他の問題が重要になる。 それこそ千差万別で一般的な評価は無理。 特に人間が関る場合には、 いくらかでも意味のあることを言うことは極めて難しい。 たとえば、 10tトラックが秒速1cmで背中に当たるのと、 小さな針が秒速200mで額に突きささるのとを、 力積で比べても意味がないだろう。
- 以上の前提の上で、オーダーの評価として、 どのくらいのことが言えるのか、というのがこのノートの趣旨である。 結果として「4トン」という答を出しているが、 この計算を見れば、 「1トン」でも「10トン」でも間違いとは言えないレベルだということがわかるはずだ。
- 相対論自転車ノート
2005年は世界物理年で、物理教室では 「子どももおとなも楽しめるアインシュタインの宇宙」 というイベントを行なった。その展示の一つに 「相対論自転車」 がある。自転車を漕ぐと、 周りの景色が(相対論効果で)歪んで見えるというものだ。 もちろん、光(の波長)が偏移する効果や、 だんだん漕ぐのが辛くなるという効果は入っていなかったが、 結構人気だった。 このノートは、相対論的な効果でどんなふうに見えるのか計算したもの。 「ああ、ちゃんと計算したんだ。」って思ってもらえればオーケーです。 実装は松井淳氏である。
- 2原子分子で自発的対称性の破れを考える
Steven Weinberg の場の理論の教科書を輪講していたことがある。 この本はなかなかすばらしい。実際多くのことを学んだ。 その輪講の際に、自発的対称性の破れについての Weinberg の説明を、 もっと具体的に示せないかと思って簡単な系を考えてみた。 それですごい発見をしたわけではないが、何となく、 こんなおもちゃをいじってみると重要なことがよくわかった気になる。 昔のノートなので、ちょっとまだるっこしいところもあるが、 殆んどそのまんまにしておく。
- デルタ関数と連続近似
これも古いノート。実はこのノートはたった一人の学生のために作成した。 彼はなぜかデルタ関数に引っ掛かってしまっていて、 私のところに質問に来たのだ。 質問の詳細は忘れた。私は彼のためにこのノートを作成し、渡した。 あんまり彼が喜んだふうでもなかった事だけ覚えている。 そして、このノートが誰の目にも触れぬまま残った。 このノートのメッセージは、 疑問に思ったら自分で簡単なおもちゃで計算しながら考えよ、 ってところだろう。上のノートもおんなじような事してるね。