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  1. 暗記してはいけない
  2. 寝転がって読んではいけない
  3. 物理の本はマニュアルではない
  4. 講義も教科書も絶対的ではない

暗記してはいけない

最近の高校生の中には、 物理が「暗記もの」であると思っている人がかなりいると以前聞いて、 大変びっくりした。いくらなんでもそんな事は無いだろうと思っていたのだが、 どうも本当らしい。 高校までの教科書がどんどん薄くなって、 内容も薄くなったので、 闇雲に覚えておいてもそこそこの成績を取れるかららしい。

しかし、これは大学では通用しない。 まず、学ぶべき内容が格段に多いし、 高度になっているから覚え切れないし、 何よりも役にたたない。 つまり、 暗記は正しい物理の勉強法ではない ということなのである。 このことは大変重要で、 この認識を大学に入ってすぐに持てるか、 あるいはいつまでも高校の時のやり方で通すかで、 大げさにいえば人生が変わってしまうぐらい重要なのだ。

では正しい勉強法とは何か。 一言でいえば、論理的に理解する ということだろう。 何が基礎的で何が派生的か。 A から B は導けるのか否か。 この法則を支える実験的事実は何か。 といった事について、自分なりの整理された理解が必要だ。 そのためには問題を解く事が大切である。問題を解くために何を使うのか、 どう使うのかといった事が、その物理の本質を明らかにする。

念のために言っておくが、何も覚えるなと言っているわけではない。 重要な事は覚えないといけない。 そうじゃないと理解が進まない。 何が重要なのか、 何を覚えなければだめなのかを選別するのが、まあ、 物理の勉強のポイントである。

寝転がって読んではいけない

ちゃんと姿勢を正して、心静かに読むべし。 お菓子を食べながらコーヒーをすすりながら読むなどもっての他である... なんてことを言いたいのではない。 寝転がっていてはペンが持てないではないか。 そう、物理の本を読む時は、 必ずペンを持って読まねばならない。

どうやったら式(24)から式(25)を導く事ができるのか、 自分にはそれができるだろうか、 という事を常に考えながら実際に計算をして読み進んで欲しい。 そうする事によって、

物理の本はマニュアルではない

最近、 コンピュータ関係のマニュアルが多く出回っているせいかどうか知らないが、 物理の本もマニュアルのように読む人がいるようだ。 マニュアルの場合、読まずに済ませるというのが第一で、 第二が必要な所だけ探して読むのが良いとされている。 何しろ厚いからね。 しかし、 物理の本ではこの読み方はできない。 なぜならば、 物理では論理的な流れが重要 であるからだ。

物理の本を読むのは、知的な格闘である。 ここに書かれている事は十分論理的だろうか。何か見落としは無いのか。 一体この著者はこの事実からどういう風に次の事柄を導こうとしているのか。 ここでの議論で本質的な所は何だったのか。 ここで示された方法ではなく、 例えばこんな方法で同じ事が言えないか。。。 こうした事が頭の中で目まぐるしく閃きながら読んでいくのであるから、 ぱらぱらと必要な所だけ開いて見るマニュアルの読み方とは全く異なっている。

講義も教科書も絶対的ではない

こんな事は当り前だと思うのだが、どうもそう思っていない人が多いようだ。 大学の講義というのは小学校、中学校、高等学校の授業とは異なり、 文部科学省が定めた学習指導要領なんかありはしない。 つまり、高校までとは異なり、 その講義がどの範囲まで扱うのかという全国的な基準は無いのである。 しかし、教員としては今までの経験と、カリキュラムの前後の関係から、 おおよそこの内容を教えるべきという基準を持ち、 それをシラバスの形で学生に提示している。 ここで重要なのは、 シラバスが与えられたとしても実際の講義の内容を高級にも低級にもする事ができるということだ。 つまり、大学の講義で扱う内容、 その程度の高低も正式にははっきり決まってはいないのである。 どうもこのことが学生を不安に陥れるみたいで、 学生はその基準を「教科書」に求めるようだ。 しかし、 大学の教科書は、高校までのそれとは異なり、「検定済」じゃありません。 同じ「力学」の教科書でも、内容も程度もさまざまである。 間違っているものもあるだろう。所詮、大学の教科書というものは、 どこかの先生の講義ノートを印刷して綴じたものに過ぎないのであるから、 間違いがあっても不思議ではないし、できが悪くても不思議ではないのである。

それじゃ一体何を勉強すればいいのか。 まず、 何を勉強しなければならない、 何を勉強してはならないと決められていないという事は素晴らしい事だという事を噛みしめてもらいたい。 自由 なのである。その上で、 いくつかのヒントを挙げてみよう。